第12回のテーマ…住宅購入支援策の注意点を知っておこう!
経済危機対策として住宅購入支援策が次々と打ち出されました。一定条件を満たした住宅購入に10年間0.3%優遇していたフラット35の金利を、認定を受けた長期優良住宅に対しては優遇期間を20年にします。フラット35は建設費・購入額の100%まで利用できるようになり、頭金ゼロでも借入れできます。住宅ローン減税も最大160万円から最大500万円(長期優良住宅は最大600万円)に拡充。さらに親や祖父母から住宅資金贈与を受けた場合、500万円まで贈与税が非課税、とおトクな制度が目白押しです。
不況のなか平成10年にも、同じような住宅購入支援策が実施されました。住宅金融公庫の金利は過去最低の2%に引き下げ、借入れに必要な年収限度額も低くなり、頭金ゼロでも借りられるように。建築基準法の緩和でマンションの供給量も増え、平成11年には住宅ローン減税の最大控除額が587.5万円に拡充されました。
この時期、家を買った人の中には、今の不況による収入減でローン支払いに困っている人が大勢います。平成20年度の住宅金融支援機構の競売物件は1万6577件と過去最多。実際に家を手放した人はもっと多いはずです。マイホームを手放さないためには、もし住宅ローンの支払いが厳しい状況に陥ったら、すぐに金融機関に相談すること。個別の事情に合わせた条件変更で、当座の支払い額を減らせる可能性があります。今は支払いに困っていない人も、ボーナス払いを減らす条件変更や、繰り上げ返済でローン残高を減らして収入減に備えましょう。
優遇があってもローンは借金です。デフレの今、借金は少ないほどいい。頭金を十分貯めて、納得できる物件を購入するのが結局は一番トクなのです。住宅購入は政策に踊らされるのではなく、自分のライフプランから慎重に買い時を決めてください。
ローン支払いの危機に備える対策は…
1 金融機関に出向いて、条件変更などの対策を相談する
A 当面の支払い額を減らす代わりに、家計に余裕ができたら支払い額をアップする
B 借入れ期間を延長することで、月々の支払い額を減らす
C 月々の支払い額を増やして、ボーナス払いを減らす
2 金利の安い他の金融機関への借り換えを検討する
3 マイホームを賃貸にまわし、自分たちはローンより安い賃貸住宅に住む
4 余裕を持ってローンが払えるうちに、繰り上げ返済でローン残高を減らしておく
平成10~11年の住宅購入支援策
1 旧住宅金融公庫の当初10年間の金利を過去最低の2%に引き下げ(11年目から4%に上がる)
2 借入れの年収限度額を東京、大阪、名古屋では500万円から400万円に引き下げ。地方では400万円から300万円に引き下げ
3 物件価格の2割必要だった頭金をゼロでも借りられるよう変更
4 自治体が行ってきたマンションの建築確認や検査を指定民間検査機関ができるよう建築基準法を緩和
5 住宅ローン減税の最大控除額を180万円から587.5万円(平成11年~13年6月30日)に
2009年、経済危機対策として実施された住宅購入支援策
1 省エネ、耐震、バリアフリー、耐久性・可変性の4基準の1つ以上をクリアすれば、「フラット35」の金利を10年間0.3%優遇。長期優良住宅等については金利優遇を20年間に延長する
2 「フラット35」の融資を建設費・購入額の100%まで融資。頭金ゼロでも借りられ、融資対象を諸費用にも拡大する
3 長期優良住宅について、償還期間が最長50年(返済終了80歳まで。親子リレー返済も可能)の「フラット50」をスタート
4 20歳以上の人が直系尊属(父母、祖父母など)から住宅資金の贈与を受けた場合500万円(+基礎控除110万円)までが非課税(21年1月1日~22年12月31日)
5 住宅ローン減税の最大控除額を160万円から500万円(長期優良住宅は600万円)に拡充
今月の格言
住宅購入支援の政策には要注意!
支払いに困ったときはすぐ金融機関に相談を
荻原博子さん(経済ジャーナリスト)
世の中の流れや経済の動きを、わかりやすい言葉で解説し、雑誌・新聞、テレビ・ラジオなどで活躍中。著書に「<a href ="http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1340381600" target="_blank">家計破綻に勝つ!</a>」(学研)など。<a href="http://kurasse.jp/member/ogiwara/blog">kurasseでブログも公開中!</a>